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不倫の慰謝料請求の要件など
不倫の慰謝料請求の問題に強い弁護士が,慰謝料請求の要件などについてご説明します。慰謝料の支払等について,交渉・話し合いで解決できればそれに越したことはありません。しかし,交渉がまとまらなければ最終的には裁判による決着となります。そこで,不倫問題による慰謝料請求が裁判で認められるためには,どのようなことを誰が証明する必要があるのか,どのようなものが証拠になるのかご説明ます。
どんなことを誰が証明するのか

「慰謝料」の法律的性質は,不法行為によって被った精神的損害(精神的苦痛)に対する賠償です。慰謝料請求権が発生するには,1.精神的損害を被る原因となった相手方の加害行為 2.相手方の故意・過失 3.精神的苦痛を被ったこと 4.加害行為と精神的苦痛との因果関係 といった要件が認められる必要があります。
裁判官も神様ではありません。時には,「どっちの言っていることが本当か分からない。」ということもあり得ます。このように,事実が真偽不明の場合に,どちらが敗訴するのかというリスクの負担を,専門用語で証明責任と言います。慰謝料請求の場合は,上記の1〜4について,慰謝料を請求する側が証明責任を負います。つまり,上記の1〜4の要件を相手が争った場合は,慰謝料を請求する側が裁判官を「7〜8割がたは間違いないだろう」と主張・立証により納得させる必要があります。逆に,慰謝料を請求される側は,それを争う場合,上記1〜4の要件につき,「どっちが本当か分からないな」と裁判官が考える程度に,慰謝料請求をする側に反論したり,証拠を提出することに成功すればよいということになります。
夫婦間の慰謝料請求
AとBが夫婦であり,BがAとCとの不倫を理由として,Aに対して慰謝料請求する場合を考えてみます。
Bは,AとCが不倫関係を持ったことを中心に主張・証明することになります。Aは自分がBの配偶者(夫婦の片方)であることは当然知っていますから,故意・過失は通常問題となりません。そして,不倫関係が証明されれば,それと因果関係のある精神的苦痛に対する慰謝料が認められることになります。
Aが慰謝料支払いを拒もうとする場合,その争い方の主なものとしては,1.Cとの不倫関係の存在を争う 2.Cと不倫したが,その当時,すでにBとの婚姻関係は破綻していたと主張する というものが考えられます。1のように不倫関係の有無を争う場合,不倫関係があったことについてはBが証明する必要がありますから,Aは裁判官に「不倫があったのかなかったのか分からない。」と思ってもらうことができればよいことになります。2の点を争う場合には,Aが婚姻関係の破綻を主張・証明する必要があります。
もっとも,仮にAとBが離婚する場合,不倫による慰謝料が認められないとしても,Aがその他の原因による慰謝料支払義務を負うということはあり得ます。
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夫婦の一方と他方の不倫相手との慰謝料請求
まず,AとBが夫婦であり,Bが,AとCとの不倫を理由として,Cに対して慰謝料請求する場合を考えます。
Bは,1.AとCが不倫関係を持ったこと,2.Cの故意・過失,3.精神的苦痛,4.ACの不倫とBが受けた精神的苦痛との因果関係を主張・証明する必要があります。ここで,Cの故意・過失というのは,不倫の当時,Aが既婚者であったことを知っていたか,知らないことに落ち度があったことです。
Cが慰謝料支払を拒もうとする場合,その争い方の主なものは,1.Aとの不倫関係の存在を争う,2.Aが既婚者とは知らなかったと主張する,3.AとBとの夫婦関係は不倫の当時,すでに破綻していたと主張する,4.仮に破綻していなかったとしても,落ち度なく,破綻したと信じていた というものがあるでしょう。不倫関係の存在,既婚者であることの認識については,Bが主張・証明する必要があります。Cとしては,この点について,裁判官に「どちらなのか分からない。」と思ってもらうことができればよいことになります。これに対し,婚姻関係の破綻やその認識・認識するに際して落ち度がないことについては,Cが主張・証明する必要があります。
次にCもAを相手に慰謝料を請求するということが考えられます。この場合,は,不倫で生じる権利義務で説明したとおり,Aが,Cを「だました」「もてあそんだ」などと評価できる悪質な事情があれば,慰謝料を請求できる余地があります。例えば,Aさんが既婚者であることを隠し,その気もないのに,Cと将来結婚するかのように装って,長期間肉体関係を継続していた場合などが考えられます。それらの事情は,Cが主張・証明する必要があります。また,この場合,CはBから慰謝料請求される可能性がありますので(認められるかどうかは別として),Cとしてはそのリスクも考慮する必要があるでしょう。
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どのようなものが証拠になるのか

写真,録音テープなどのほか,日記,メモ,メール,手紙などが有力な証拠となります。当事者の話はもちろん,事実関係を知っている第三者の話も証拠となります。
もっとも,言い逃れする余地がまったくない「不倫」の決定的証拠というのはあまり多くありません。逆に,「不倫していない」ことを争う側とすれば,「していないこと」を直接証明することなど困難です。
しかし,直接的な証拠,決定的な証拠ではなくても,「これは不倫しているとしか思えないんじゃないの?」「こんな様子なら,不倫関係になんかないでしょう。」と思えるような状況・事実を示すものがあればこれらを積み重ねることによって証拠となります。
具体的にどのようなものが有力な証拠になり得るかは,個々の事案によって微妙に違います。というのは,不倫の状況,あるいは不倫を疑われている状況は,事案によって千差万別であり,何を主張・証明すべきかという点も微妙に違ってくるからです。これらの判断は,実務経験を積んだ弁護士でこそ適切に行い,アドバイスを差し上げられるものです。お早めにご相談ください。
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